イケハヤさん課題図書の
「21世紀の歴史 未来の人類から見た世界」
著者 ジャック・アタリ 訳者 林昌宏
を読みました。
約350ページの本で、とても読み応えがあります。
2008年8月に出版された本であり、
第II章 資本主義は、いかなる歴史を作ってきたのか?の章では、
紀元前12世紀から2006年頃までの資本主義の歴史を丁寧に振り返っており、
学生時代に世界史で学習した内容も出てきて、共感を覚えながら読み進めました。
日本についても少しだけ考察がありますが、
本の一番初めの「21世紀、はたして日本は生き残れるのか?ー日本語版序文にかえてー」
がよくまとまっています。
その中で、21世紀の日本の課題を10個列挙しています
1 中国からベトナムにかけての東アジア地域に、調和を重視した環境を作り出すこと。
2 日本国内に共同体意識を呼び起こすこと。
3 自由な独創性を育成すること。
4 巨大な港湾や金融市場を整備すること。
5 日本企業の収益性を大幅に改善すること。
6 労働市場の柔軟性をうながすこと。
7 人口の高齢化を補うために移民を受け入れること。
8 市民に対して新しい知識を公平に授けること。
9 未来のテクノロジーをさらに習得していくこと。
10 地政学的思考を念入りに構築し、必要となる同盟関係を構築すること。
確かに、どの課題も的を得ていますが、
7の移民の受け入れについてはどうでしょうか?難しい課題ですね。
仮に著者の言う1,000万人以上の移民を受け入れに賛成する性質が、
島国の日本人に備わっているでしょうか・・・。
本の後半は著者の豊富な知識と分析力による未来予測となっています。
当たり外れを指摘するよりも、このような分析があると認識しておくだけでも有用かと思いました。
興味のある方は、ぜひご一読ください。
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